断熱効果

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熱は温度の高いところから低いところへ移動して、両者が一緒の温度になろうとする性質があります。家の中で、熱の出入りが最も大きいのは「窓」。つまり、窓の断熱性能がアップすれば、住まい全体の断熱性能が格段にアップします。窓まわりの対策がどのような効果をもたらすか、ご紹介させて頂きます。

目次

寒さの6割、暑さの7割は窓が原因

昨今の住宅の壁には、断熱材が入っているので、基本的に熱が伝わりにくくなっています。外壁も30年前に建てられた家より、17倍も断熱性能が高い建材が出ており、エコ住宅としてエアコンを極力使わずに生活できる快適な暮らしをコンセプトとした住宅が増えています。それでも、窓専門店には、「新築なのに、冬は寒くて、夏は熱い」と感じるお客様からのご相談が未だに多いのが現実…。理由は明白で、住宅の熱の出入りは、窓などの開口部から発生することがほとんどだからです。

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日本建材・住宅設備産業協会の調べによれば、窓などの開口部を通して、冬に暖房の熱が逃げる割合は58%、夏の冷房中に入ってくる割合は73%にも及びます。暑さの原因の7割、寒さの原因の6割が窓まわりにあります。いくら、高性能な建材を使っても、半分以上の原因が窓まわりにあれば、断熱対策は不十分です。

アルミの窓枠が熱を逃がす理由

窓は大きく分けて、「枠」と「ガラス」で構成されています。最近はペアガラス(複層=二重)やLow-Eペアガラス(低放射)といった高性能なガラスが一般化してきており、断熱性能が高いガラスも出ています。それでも断熱効果を感じられない方が多いのではないでしょうか?理由は熱が逃げやすい窓枠に使われている「アルミ」にあります。

断熱性能の目安となる熱伝導率で各材料を比較してみましょう。

アルミニウム 200W/mk
樹脂 0.2W/mk
0.16W/mk
ステンレス 20W/mk
ガラス 1W/mk

熱伝導率は、アルミと樹脂の比較だと、約1000倍も異なります。それでも、日本のサッシの大半は、枠がアルミでできています。理由はアルミは加工しやすく、工場のラインもアルミ向けであることで、コストを抑えられるからです。古い住宅の場合、ほとんどの窓枠がアルミでできているのが現実・・・。

最近、大手住宅メーカーの大半が採用している樹脂製の窓枠の大半も、内枠が樹脂で、外枠がアルミでてきている「樹脂アルミサッシ」という部材です。いくら、高性能なペアガラスを入れても、外枠から熱の出入りが発生するため、断熱対策として完璧ではありません。

窓のプロが教える!断熱対策別の費用対効果

窓断熱には、様々な種類や方法があります。手軽なものでは、窓のガラス面に断熱スプレーを吹きかける断熱方法から、窓枠から取り替えてしまう窓リフォーム(内窓設置)まで。効果を実感できる代表的な窓断熱の方法を比較表にまとめましたので、ご確認ください。

方法 窓断熱シート 窓断熱フィルム
説明 ポリエチレンシートのフィルムをガラス面に貼り断熱する方法。業者への依頼は不要 シートと同じガラス面に貼る断熱方法。施工は業者への依頼が必要
費用
窓サイズ幅
170cm×高さ
180cmで算出
3,000円
(1回当たり)
48,960円
(施工費含む)
耐久年数 約1年 約5~7年
説明 断熱フィルムの多くが水で貼れるので、自分で貼れて比較的お手軽な断熱方法。 断熱効果とともに高い透明性も確保。またガラス飛散防止にも効果あり
デメリット 部屋が暗くなってしまう 5~7年で張替えが必要
断熱効果
方法 ガラス入替え 内窓設置
説明 サッシはそのままで断熱性能の高い複層ガラスや遮熱複層ガラス(Low-Eガラス)に交換する方法 既存の窓の室内側に、新たに内窓を設置する断熱方法
費用
窓サイズ幅
170cm×高さ
180cmで算出
複層ガラス:79,260円
遮熱複層ガラス:106,800円
(施工費含む)
単板ガラス:79,600円
複層ガラス:96,400円
遮熱複層ガラス:108,300円
(施工費含む)
耐久年数
説明 今あるサッシをそのまま使えるため、使い勝手も見た目も変わらない。 樹脂製の窓枠に加え、既存窓と内窓の間に空気層ができるので、断熱効果が高い。
デメリット 窓枠がアルミだと、断熱性能落ちる 2回開け閉めする必要がある
断熱効果

窓まわりのプロとしての視点で申し上げれば、2回の開け閉めの手間ではなく、断熱効果を第一に考えるなら、内窓設置が最も有効な手法です。初期費用は、断熱シートやフィルムよりかかりますが、熱の出入りを防ぐことでの省エネ効果を加味すると、実は最も費用対効果が高い手法です。

内窓の断熱効果

1.「樹脂製サッシ」

先に述べた通り、樹脂はアルミに比べて熱伝導率が1/1000程度と、断熱効果に最も優れた素材です。代表的な内窓のほとんどが、樹脂製のため、内窓であれば窓枠の問題は解決できます。

2.「今ある窓との間に生まれる“空気層”」

寒さの原因は、窓辺で冷やされた空気が、冷たい風となって、室内の下層に流れ込むコールドラフト現象(底冷え)が大きな割合を締めます。実感のある方が多数だと思いますが、底冷えは、実際の室温に比べて、体感温度を低くしてしまいます。

熱伝導率の低い窓枠に加えて、内窓だからできる底冷え対策が、いまある外窓との間に生まれる空気層にあります。既存の窓と、内窓の間に空気層をつくることで、部屋の中と外にワンクッションを置くことができます。空気の熱伝導率は低いため、今ある窓との間に生まれる空気層が、断熱に大きな効果を発揮致します。

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費用対効果の最も高い内窓とは?

内窓大手メーカーは5~6社ありますが、市場シェアは圧倒的にリクシルのインプラスという商品がNo.1です。断熱効果に関しては、大手メーカーの内窓はどれも性能に大差はないため、大きな違いは見られません。但し、インプラスは商品自体の価格が最も安く、施工も簡単なため、コストパフォーマンスが非常に高い内窓です。

日経BPコンサルティング社が設計事務所、工務店、住宅会社、リフォーム会社に勤務する住宅のプロに対してアンケートをとった結果、リクシルの内窓インプラスは圧倒的に№1の評価。ぜひ、インプラス紹介ページより商品をご確認ください。